送信IPの問題かドメインの問題かを調べるには、どちらが変わったかを送信経路の一覧で確認し、実際の応答と認証結果を比べます。迷惑メール入りという一つの症状だけで、IP評価やドメイン評価を断定することはできません。外部ツールの点数を内部の評価値として扱わないでください。
確認する範囲
日本の企業が配信サービスを移すと、IP、DKIM署名、追跡リンク、テンプレートが同時に変わる場合があります。結果が悪化しても、どれが原因かはその比較だけでは分かりません。変更前後で実際に使った値を控え、残せる条件を固定して、確認する問いを小さくします。
共有IPを利用する場合は、自社だけでそのIPの運用を変更できるとは限りません。提供者へ問題の応答と送信識別子を渡し、正規の経路と設定を確認します。IPを変える提案がある場合も、なぜその変更が必要か、認証や差出人へ何が影響するかを確認し、原因の調査を省略しないようにします。
点検の手順
- 前後のIP・署名・From・リンクの変更を一覧化する。
- 明示的な配送応答と認証不備を先に調べる。
- 提供者の記録と集計の対象を確認する。
- 確認した事実と推測を分け、比較できる条件で再検証する。
ドメインについては、見えるFrom、SPF対象、DKIM署名、リンク先を別々に記録します。全部を「ドメイン」と呼ぶと、どの設定を変えたかが曖昧になります。Postmaster Toolsなどの集計を使う場合も、対象ドメインと日付を確認し、データがない項目を良好な状態として読み替えません。
想定例と判断の条件
想定例として、同じFromの請求メールを別のSMTPから送り始め、未着報告が増えたとします。新サービスでは署名ドメインとリンクも変わっていたかもしれません。まず認証の不備や明示的な拒否を直し、比較できる条件をそろえます。「IPを替えたから悪化した」と短い説明で終わらせないでください。
調査の結論は、確認できた具体的な事実で書きます。例えば「新経路のDKIMが失敗していた」「この宛先でこの応答が返った」とすれば担当者が対応できます。根拠のない評判の数値より、変更内容、再検証した原文、残る未知事項を残す方が、次の問題が起きたときにも役立ちます。
Inbox Checkの標本の差は、IPやドメイン評価の内部値を直接測ったものではありません。対象の受信箱と時点の観察として扱い、国内全顧客への効果を推定しないでください。対応対象が不明なYahoo! JAPANや携帯メール、企業の追加ゲートウェイについては、別途確認が必要な範囲として報告します。
公式の参照先
Google:メール送信者のガイドライン。Google:Postmaster Toolsの設定。
方法論と測定範囲を読み、Inbox Checkの対象を確認してから検証してください。標本で確認したことと未知の範囲を分けて残します。